←トップに戻る←目次にもどる前のページヘ次のページへ□'10年03月15日(月) 産院建築の着工。
この2月、設計していた産婦人科医院建築が、
ようやく工事契約・着工となった。
分娩をあつかう、有床の入院施設のある産院
である。
一昨年の2月に設計依頼の問い合わせから、設計
完了、着工まで2年間を費やしたことになる。
当初、院長先生が「産科医を選んだのは生命の
誕生にかかわれるから」とのお言葉に私どもは
感動し、私どもも「生命誕生の場」つくりに
是非お役に立ちたい、とのおもいで産院建築設計
をお受けした。
産院が他の医院、病院と異なるのは、来院者は主
に五感が正常な健康体であり、来院、入院するこ
とは概ねおめでたいこと、にある。
それだけに、医療施設でありながらホテルのよう
な快適さ、hospitalの文字どおりホスピタリティ
が必要な施設でもある。
そのあたりは弊所が快適な家づくりを手がけてい
る経験が役に立つのではないかとおもわれた。
私はかねがね個人住宅設計で培われた快適さの
ノウハウを、より多くの方が味わえる、ホテルの
ようなものでやってみたかった。
住宅建築の大家:F・ロイド・ライトが日本から
の帝国ホテルの設計依頼に飛びつき、日本に5年
もほぼ常駐して設計に打ち込んだ、その気持ちは
私にはよくわかる。
弊所の医療建築実績は、これまでに60床の外科
病院1件、何件かの内科、小児科の診療所、
犬猫病院2件、を手がけている。
設計期間は、じっくり進めて次の年内にでも着工
できればよいとのこと。私どもはいままでの経験
を生かしながら、コツコツと業務を進めていけば、
十分できるものとおもえた。
F・ロイド・ライトの帝国ホテルのように、私に
とってはこのたびの産院建築設計はビッグチャン
スとして精一杯務める。
ところが当方の考えは甘かったようで、産院の特
殊性はおもったより難しく、おもったより時間が
かかってしまった。
私の想像力をフルに動員しても、住宅とちがって、
産院医療側、来院者側の心理に感情移入すること
が難しく、医療設備と行為、等を把握するのが難
しかった。院長先生からのご鞭撻を受けながら、
2年を経て何とかこのたび着工することができた。
これからも工事監理は大変であるが、少しペース
を取り戻して、今般このようにブログを書ける
次第となった。
弊所は他にも数は少ないが高密度の住宅を何件か
手がけている。しかしどれもなかなか時間がかか
っている。この産院建築も含めてこれらの竣工は
来年、再来年になろう。
竣工作品として弊サイトにアップロードできるの
も来年、再来年となろう。
しばらくは
New作品の更新がないことになるの
で、いつも弊サイトをご覧になられている方で、
AMOはどうしたのかとご心配される方は、どう
かご安心ください。
(・・・誰も心配していないか)
ちなみに、F・ロイド・ライトは帝国ホテルの
前後、50代前後に数々の不幸に見舞われ、
公私共に大打撃をうけながらも、60代終わり
になってよみがえり、72歳にして世紀の傑作
住宅「落水荘」を造り上げ、再び歴史の表舞台
に返り咲く。  その後80代になってからは
ジョンソンワックス社、ユニテリアン教会、と
アグレッシブなデザインの作品群、90代にな
るころには、グッケンハイム美術館、
マリン群役所、等の大胆奇作となる。
(*)
私もF・ロイド・ライトにあやかって、こんな
超人に及ぶべくもないが、この仕事を天職とし
て、これからも頑張っていきたいおもっている。
次の作品アップロードするまでは、この弊サイト
で久しく間が空いていた「持論」や「時々近況」
を書き込んでいこうとおもっている。
弊サイトをご贔屓の方々に於かれましては、
引き続き弊サイトをクリックのほど、
よろしくお願い申し上げます。
 2010年3月15日      篠崎好明
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