今宵、待望していたコンサート、J.S.バッハ 「マタイ受難曲」、トン・コープマン指揮、ア ムステルダム・バロック・オーケストラ&合唱 団の演奏を聴いた。会場は錦糸町の「すみだト リフォニーホール」であった。このホールは、 私の席が2階中段にもかかわらず、生の歌声が 子音の細部まハッキリと聴こえ、なかなか音響 の良いホールであった。演奏内容は、さすがバ ッハの古楽器演奏では当代きってのメンバー、 素晴らしく、ホールの音も良く、3時間の演奏 が続く中、私の精神のポテンシャルは高まる一 方であった。 ところで、クリスチャンでもない私がなぜ宗教 曲「マタイ」に魅せられるのかは自分でもわか らない。しかしバッハを30年以上聴き続けて いくうちに、初めは器楽曲ばかりだったのに、 最近はバッハの声楽曲を多く聴くようになって きた。特に「マタイ」はキリスト受難の曲なの に、聴くほどに、たまらなく生きる愉悦が湧い てくる。 不思議な曲である。バッハはまことにニクイや つである。 私もバッハのように、もとい、バッハにあやか り、住むほどに生きる悦びが湧いてくる住宅を つくろうと、このコンサートを聴いて力が湧い てきた。 篠崎好明 |