階段はオブジェとして鑑賞に耐え得るよう、 端部の納まりや手摺の割付の整合性等の細部に も、眺めていても矛盾のない自然の姿にしたい。 ところが手摺の割付は均等に割り付けられず、 手摺の角度とササラ桁の角度と合わないと、何 となく落ち着かず、スッキリとしない。 そこで手摺の高さを独立変数とし、ササラ桁と 手摺縦子との交点を手摺の高さにして角度を一致 させ、手摺の割付の不整合な端部には同じ三角形 の自己相似形の繰り返しを挿入すると、辻褄が合 い、スッキリと自然に見えるようになる。 この様に全体の変形により、割付が不整合と なるところを、自己相似の繰り返しを挿入して 辻褄を合わせて自然に見せることは有効である。 下図の恐竜の背ひれや魚の鱗の自己相似形の 繰り返しが、頭部や尾部の先端にいくほど小さ |
くなって、全体の変形に対し辻褄合わせする例 |
は、自然界ではよく見受けられる。 2002年 9月 9日 篠崎好明 |