「QUAD606」はモノラル独立基盤2組を
一体化したもの、出力も75W×2の150Wも
ある。管球式パワーアンプ「QUAII」は出力
15W×2のせいぜい30Wしかない。
いくら管球式銘アンプといえども、現在のトラン
ジスターのものがそれに劣るとはおもえなかった。
それに現在の石の「QUAD44+606」で聴
く「AXIOM80」は元気溌剌、私にはちょっ
と荒削りかなとおもう以外は不満がなく音楽を楽
しんできた。
しかしM氏は球でなければハナシにならない、
いま「QUAD22+II」を復刻再生したものが
あるがいかがかですか、とのこと。
そこのページ
を開くと、たしかに昔あこがれ続けた懐かしい、
ちょっとレトロ調の魅力ある姿があらわれた。
しかしお値段の方は私にとってはかなりのもので
ある。・・が、ここはわが愛機「AXIOM80」
のためには、M氏の挑戦を受けねばなるまい。
それに、その懐かしい姿をみただけで、あこがれ
の気持ちが込み上げてきて、しかもこれが完動品
となれば、何としてでも欲しくなってしまった。
家内に「かあさんや、子育ても一段落してきたこ
とだし・・・そこでだ、還暦をすぎた私の人生最
後のお願いなんだが・・・。」とおもむろに切り
出した。家内から「しょうがないわねえ、いつも
これが最後っていうんだから・・・」といわれな
がら、何とか購入資金が工面できた。
「QUAD22+II」を購入
早速サウンドボックスの店に行ってみると、店主
のM氏は電話での印象どおり、品が良くて趣味で
店を開いているようなところがあった。
実際会っての印象からして、M氏は信頼出来る方
だとお見受けした。そこで現物も見ず、試聴もせ
ず、支払いを済ませ、すぐにでも郵送してもらう
ことにした。一つにはこの
「QUAD22+II」の個性的姿は、昔からさん
ざん憧れて頭の中に焼き付いており、今さらその
姿を店に広げてさらしたところを目にしたくな
かったからである。さらには、問題は我が家の
「AXIOM80」がこのアンプでどう鳴るかで
あって、店で試聴してもしょうがないとおもった
からである。
さて我が家に送られてきた貧弱な梱包を開け、い
よいよ結線・接続、シャーシーに真空管を差し込
み設置する。
「QUAD22+II」の容姿とインテリア
プリアンプの容姿はちょっとレトロ調で、小柄で
丸みを帯びて親しみのあるデザインではあるが、
そのデザインはただものではなく、その独特の個
性的容姿は周辺の空気を一変するオーラを発して
いる。パワーアンプは完全独立モノラルアンプ
2機、[QUADII]とシリアルナンバーがおご
そかに刻まれたプレートが張り付けられたマット
グレーのシャーシーには、トランスが威風堂々と
鎮座、真空管はキラキラと輝きをもって林立、
たくましいパワーアンプとして、周辺を制圧する
存在感を示す。

プリアンプ「QUAD22」+パワーアンプ「QUADII」

パワーアンプ「QUAII」×2

プリアンプ「QUAD22」

音楽を聴くとき部屋を暗くすると、アンプの灯りが魅力的。
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