金物工法

どんなメリットがある!?金物工法(SE構法など)ってどうなの?

横山 浩介(一級建築士)

本コンテンツ内の画像はイメージであり、当事務所で建築・設計していないものも含まれます。

公開日:2017年10月05日

こんにちは、横山 浩介です。

皆さん、金物工法という工法をご存知でしょうか?

最近、金物工法の需要が増えつつありますので、今回は金物工法のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

金物工法とは?

 

従来の工法(木造軸組み工法)は、木の先端を加工することにより柱・梁の接合を行う工法となります。

それに対して、金物工法は接合部分に金物を使用する工法となります。

 

使用する金物はメーカー各社様々で、それらのメーカーが独自の工法名をうたっています。そのため、一口に金物工法といっても数多くの金物工法が存在します。

主な金物工法にはクレテック金物、SE構法、ロケット工法、IK工法、HS金物工法などがあります。

金物工法のメリット

耐震性・安定した強度の実現

 

従来の木造軸組み工法では柱・梁の接合をする際に柱をくり貫き、そこに先端を細くした梁を組み合わせるなどするため、木材の欠損部分が大きくなります。

そのため、構造によっては、地震などの「揺れ」に対して接合部の強度が不足する場合があります。

 

それに対して、金物工法は断面欠損が小さいため、接合部の強度を高めることができます。

また、接合部の耐力が数値で明確化されているため、ブレのない安定した強度を実現することができます。

 

↑出典:耐震構法SE構法のエヌ・シー・エヌ

 

金物工法が普及してきておりますが、その背景には阪神・淡路大震災での倒壊被害などがあるようです。

現在建築中の平塚の家でも、強固な接合で大空間を実現するためにSE構法を採用しております。当初は木造軸組み工法での構造設計をしましたが、構造をより強固にするためにSE構法にしました。

 

意匠面・大空間の実現

 

金物は柱や梁の内部に仕込んであり、ドリフトピンを打ち込んで止めますので、柱や梁の表面にはあまり金物が露出しないような構成になっています。梁を現しにしても余計な金物が見えず、意匠的にもスッキリ見えます。

 

また、金物工法は、柱や壁が少なくても耐震性の高い空間にできることが大きな特徴です。

開放的な大空間にしたリ、天井高を高くして上に広がり感のある空間にしたり、光を目一杯取り込む大開口にしたりすることができます。

場合によっては、部屋と部屋を区切る壁を減らすこともできます。
これにより、当初は大きな空間にしておき、お子様の成長に合わせて家具で仕切るなどのフレキシブルな住まいが可能になります。

 

建坪8.4坪の大空間「都心の超狭小住宅」

 

上記の物件では、木造軸組み工法で施工を検討すると、どうしてもリビング・ダイニングの大空間に存在感のある柱や梁が必要になってしまいました。そのため、ロケット工法という金物工法を用いて柱や梁の無い空間を実現しました。

 

施工の均一化・工期短縮

 

金物工法の場合、あらかじめプレカット工場で柱・梁に金物を取り付けた状態で出荷されます。

そのため、木造軸組み工法のような複雑な加工や熟練技術を必要としないシンプルな施工となり、施工の均一化が図れます。

また、建築現場で大工さんの手間と時間が削減できますので、工期の短縮化にも繋がります。

 

上述の平塚の家でも「都心の超狭小住宅」でも現場で金物をビスで取り付けるより、金物工法の接合の方が安定した強度を期待できることにより金物工法を採用しております。

金物工法のデメリット

コストが高い

 

最大で、唯一のデメリットはコストが高くなることです。

プレカットされた木(柱・梁)だけを購入する木造軸組み工法のケースとは異なり、金物工法のメーカーによって構造計算され、また、木に金物が取り付けられますので、コストは高くなってしまいます。

 

まとめ

 

金物工法は木造軸組み工法のさらなる強度向上、大空間の実現が可能となります。

木造軸組み工法より費用は掛かりますが、将来に渡って構造が安定することを考えますと、私としては選択する価値は大いにあると思います。

 

金物工法での設計も木造軸組みでの設計も承っていますので、是非お気軽にご相談ください。

 

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公開日:2017年10月05日

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