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公開日:2017年10月14日
↑写真はイメージです。
こんにちは、横山 浩介です。
皆さん、何階建てにするかもうお決まりですか?
戸建住居では、ほとんどが平屋(1階建て)~3階建てで、その中でも2階建てが圧倒的に多いです。
*戸建のうち平屋の割合は14%、2階建て以上は86%(平成25年 総務省調べ)
何階建てにするかは、必要な間取りを確保するためのスペースが判断基準になる場合が多いです。
平屋で足りなければ2階建て、2階建てで足りなければ3階建てとなります。
ですので、土地の確保が難しい都心部では3階建ての割合が高くなって来ます。
その他スペース以外で重要なのは、採光とプライバシーの確保ですね。
あとから容易に階数を増やしたり減らしたりできるものではありませんので、メリット・デメリットをしっかり把握した上で、新居での生活を思い描きながら決めて頂ければと思います。
・階段がない
(平屋と比べて)
・家族間のプライバシーを確保しやすい
・採光しやすい
(2階建てと重複するメリット以外では)
・敷地が小さくて済む
・(2階建てより)建築費が少し高め
・広くなると建物の真ん中が採光・通風しづらい
(平屋と比べて)
・階段がある
(2階建てと重複するデメリット以外では)
・法的規制や構造的規制が多く、プランニングに制限を受けたり出費がかさんだりする
敷地が広く、採光もプライバシーも確保できるようでしたら、平屋は一番贅沢な構成だと思います。
平屋の一番のメリットは階段がないことです。
お施主様の年代は20~40代の方が多いので普段はあまり意識しないと思いますが、歳を取ったり、ケガをしたりすると「階段がないことがこれほど素晴らしいことなのか」と思うようです。
平屋は建築費が一番安くなるようなイメージがあると思いますが、同じ延床面積で考えると屋根や基礎の面積が約2倍になるので、2階建てより少し高くなる場合が多いです。
また、2階建てに比べて面積が広くなるため、中心部分には採光がしづらかったり、風通しが悪くなったりする場合があります。
*採光・通風は設計次第でクリアできる問題です。
下記のフラットハウスでは、東面、南面、西面に坪庭を設け、吹抜の高窓から採光を確保して、明るくて広がりのある内部空間としています。
平屋は広い土地をお持ちの方や別荘としてご検討の方にはオススメです。
たまにしか使わない部屋はロフト、または、ロフト風(天井高1.4m超)で代用するのも1つの方法です。
*上記のフラットハウスでもロフトを設けております。
2階建ては、一般的で一番多いですね。
階段があるというデメリットこそありますが、それ以外には大きなデメリットは見当たらず、非常にバランスが取れた構成です。
平屋のように広い敷地も不要ですし、建築費も抑えられます。
3階建てのような法的規制や構造的規制もありません。
あえてデメリットを挙げますと、例えば、リビングと子供部屋が上下階に分かれる場合、子供(特に小さい子)の様子を感じづらくなるなどはあるかもしれません。
ただ裏を返せば、家族間のプライバシーは確保しやすくなります。
敷地の環境にもよりますが、生活の中心となるリビングを1階にしようか、2階にしようかという話がよくあります。
最近の傾向としましては「2階の方が陽が入り易く、いつも居るところが明るい方がいいからリビングを2階にしよう!」とリビング・ダイニング・キッチンを2階にして、プライベートルームを1階にするケースが多いです。
下記の「回遊テラスの家」も2階がリビングになります。
やはり2階の方が採光しやすい環境にあるようですので、住宅地では2階建てがオススメです。
2階建てでは必要な間取り・スペースが確保できない場合、必然的に3階建てになります。
1階にガレージ・エントランス・浴室、2階にリビング・ダイニング・キッチン、3階の明るいところに子供部屋というケースが多いです。
メリットは何といっても敷地が小さくて済むので、土地取得費用が低く抑えられます。
平屋・2階建てと同額の予算で考えれば、より良い立地に建てることができます。
もちろん階層が増える分、家での生活面だけを見れば、平屋・2階建てに比べて、若干は不便な面も出て来るのは確実です。
ただ、狭い土地でも同じ生活スペースを確保できることから、立地の選択肢が広がり、通勤がラク、駅から近いなど、土地取得から考えると3階建ても十分に魅力的です。
生活面よりも建築面において、2階建てと3階建てには大きく異なる点があります。
2階建てに比べて、3階建ては法的規制や構造的規制が多くなります。
いざ3階建てを建てたいと思っても、住宅密集地では「斜線制限」「日影規制」などの高さの制限に引っ掛かり、そのままでは建てられないなどもしばしばあります。
構造計算書と構造図面も確認申請の審査対象になり、また、構造躯体部分に耐火性能が必要になり、余計な出費も増えます。
さらに、3階建ては重くなりますので、調査結果次第では地盤改良も必要になって来ます。
規制例)
・3階建ては建物の仕様を準耐火構造にする。
・非常用進入口を道路面に設ける。
・3階から避難する1階までの階段を直通階段にする。
・玄関扉から道路に出るまでの通路を1.5m以上確保する。
さらに各種規制の影響によって、定型サイズが確保できないためにハウスメーカーでは家が建てられないこともあります。
ただ、そんな数多くの規制やデメリットを乗り越えて、あっと驚くカッコイイ家、生活しやすい心地よい家を建てるのが私ども建築家の役目でもあります。
天空率を用いて高さ制限をかわしたり、住居の一部を地下に埋めてみたり、空間構成をどのようにして構造的に成り立たせるか、意匠デザインと構造デザインとの戦いを制するのが建築家の腕の見せどころです。
下記の「超狭小住宅」は建坪8.4坪で、高さ制限もあり、天空率×半地下で3階建てにして、ご希望のスペースを確保しています。
都心部で、立地を優先したい方には3階建てがオススメです。
平屋・2階建て・3階建て、どれが一番良いということは無いと思います。
3階建てを若いうちに建てて、歳を取ったら平屋やマンションに引っ越すなどの選択肢もあるかと思います。
予算は別にして、どのような条件においても、施主様の夢や理想をしっかりカタチにすることが我々建築家の仕事だと思っています。
建築予定がある方は是非お気軽にご相談ください。
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公開日:2017年10月14日
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