無垢・天然木

やっぱり無垢が好き!無垢の木材のメリット・デメリット

横山 浩介(一級建築士)

本コンテンツ内の画像はイメージであり、当事務所で建築・設計していないものも含まれます。

公開日:2017年10月14日

↑写真はイメージです。

 

こんにちは、横山 浩介です。

建売戸建やマンションを購入する場合は、品質の安定感から複合フローリングが敷いてある場合がほとんどです。

ただ、このページをご覧頂いている皆様は、これから家を建てようという方が多いと思いますので、全てご自身で選択することができます。床を無垢材のフローリングにすることも、さらに壁や天井にも無垢材を板張りすることもできます。

 

今回は「無垢材」の魅力や欠点について見ていきたいと思います。

 

フローリングの種類

 

無垢材は床、壁、天井など多くの場所で使用することができますが、まずは床(フローリング)をベースに見ていきます。

 

フローリングには、大きく分けると「無垢フローリング(単層)」と「複合フローリング(複層)」の2種類があります。

 

無垢フローリングは丸太から必要な形状に切り出したままの木材で単層(1枚)です。
それに対して、複合フローリングは合板(ごうはん)などの上に厚み数mmにスライスした突き板(や特殊シート)を貼った複層のものになります。

※合板とは、薄く切った単板(ベニヤ)をその木目が交差するように接着剤で張り合わせた木材です。

 

どれが一番オススメ?無垢材の長所と短所

 

結論から言うと、一長一短ありますのでどちらがお薦めということはありません。

個人の好みや使用場所などによって使い分けていくのが良いと思います。

 

では、具体的にはどのような違いがあるかを見ていきましょう。

 

無垢材のメリット

本物感

最近では2~4mmと厚めの天然木を表層に貼った複合フローリングがあり、見た目や肌触りは無垢とそこまで変わらない製品が出ています。

ただ、「本物だけが持つ重厚感」や「天然木がゆえのぬくもり」は無垢材だからこそ味わえるものです。

ご自身で悩んだ末に選んだ無垢材にはきっと愛着も湧いてくると思います。

他にもメリット・デメリットがありますが、この部分が無垢材を選択するか否かの一番大きな分かれ目になる気がします。

 

経年変化による味わい

20~30年という長い年月で見ますと、複合フローリングの場合は少しずつ劣化が進んでいきます。

 

無垢材も同様に劣化はしていくのですが、見方によってはそれらの経年変化さえも「味」と捉えられます。

無垢材の場合、床に傷が付いても「味」、経年変化による色味の変化も「味」です(笑)

複合フローリングの場合ですと、傷の深さによっては中の合板が見えてしまうこともありので、さすがに「味」では片付けられません。

 

 

丈夫で耐久年数が長い

一般的に、複合フローリングより無垢フローリングの方が購入時の価格は高いです。

ただし、無垢材の方が耐久年数が長いので、コスパで見れば一概に高いとは言えません。

無垢材の場合、表面を削ればいつでも新品同様に蘇りますので、次の世代に引き継ぐことも可能です。

 

また、軒裏など屋外で使用する場合は、耐久性の面から丈夫な無垢材にする必要があります。

 

自然素材で安心

複合フローリングは接着剤で固められていますが、無垢材は完全に自然素材です。

※ただし、どちらの場合もフローリングを設置する際に接着剤は使用します。

 

そのため、アレルギーを持っている方や敏感な方は無垢材を選択した方が無難だとは思います。そうでない方は、この点についてはそこまで神経質になる必要はないように感じます。

 

無垢材のデメリット

伸び、縮み、反り、割れ

自然素材である無垢材は温度や湿度の変化によって膨張と収縮を繰り返します。

そのため、板と板の隙間はいつも均一ということはなく、継ぎ目が開いたり閉じたりすることがあります。場合によっては、乾燥していく過程で反りや割れが生じることもあります。

 

無垢材の種類や質によって、その変形度合にはバラツキがありますが、それらも「味」と捉えられるかどうかでしょう。むしろアンティークな風合いだと楽しむことができれば最強ですね。

 

それらの変化が気になってしまう方には複合フローリングをお薦めします。複合フローリングは変形しづらく品質が安定しています。

 

メンテナンスが必要

長年メンテナンスを怠ると、木材を保護している塗装が剥がれて来てしまい汚れやすくなります。

(何かこぼしたときなどに床に染み込みやすくなってしまう等など。)

そのため、良好な状態を長く維持するためには定期的に保護塗装をすることをおすすめします。

 

塗装は確かに面倒ではありますが、特別な知識や技術がなくても誰でも塗れます。

必要に迫られない限りは、大きな家具の下など塗装が取れにくい部分は再塗装しなくても良いと思います。

 

是非ご家族でDIY気分で楽しんでください。より一層に愛着が湧くと思います。

 

無垢材の使用例

 

実際の使用例を見ていきたいと思います。

実際、床だけでなく、壁・天井・軒裏などにも多く使用しています。

 

ホテルライクな空間「ツインコートハウス」
壁と床にカリンの無垢材を使用しています。スタイリッシュで美しいですね。

 

360度の大展望「回遊テラスの家」
床、天井、外部の軒裏にカラマツの無垢材を使用しています。ナチュラルで優しい風合いですね。

 

緑あふれる「ここたまの家」
ウッドテラスにセラガンバツの無垢材を使用しています。緑とマッチしていますね。

 

ラグジュアリーな住まい「ルーバーコートの家」
床にカーピーという南洋の希少な無垢材を使用しています。実に綺麗な風合いですね。

 

緑と光の癒しの空間「三鷹の森」
軒裏にシルバーパインの無垢材、天井に杉の無垢板を使用しています。気持ち良さそうですね。

 

建坪8.4坪の大空間「都心の超狭小住宅」
床にクルミの無垢材(床暖房対応)、ウッドテラスにイペの無垢材を使用しています。風合いが良いですね。

 

まとめ

 

無垢材のメリット・デメリット、実際の使用例などを見て来ましたが、いかがでしたでしょうか?

やっぱり無垢材がいい!となりましたでしょうか?それとも、安定感があって初期コストも安い複合フローリングがいい!となりましたでしょうか?

 

壁にワンポイントで無垢材を入れるだけでガラッと印象は変わると思いますので、アクセントとして取り入れてみるのはいかがでしょうか。

 

 

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公開日:2017年10月14日

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